「合格トピックス講座」~

(この講座では、1級・2級建築施工管理技術検定の合格を目指している方々のために、建築施工の全般に係るポイントとなる問題を掲載します。1級受験・2級受験のいずれの方にも参考になるように、建築施工の工程に則して、重要基本事項に係る問題を取り上げて行くこととします。この「合格トピックス講座」は、原則として毎週水曜日に更新します。)

第 7回 工程管理①

【No1】下に示すネットワークエ程表に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  1. この工事全体は、最短14日で終了する。
  2. B作業の所要日数が2日増加すると、この工事全体の作業日数は,2日増加する。
  3. C作業の所要日数が2日増加すると、D作業のフリーフロート(後続作業に影響せず、その作業で自由に使える余裕時間)がなくなる。
  4. E作業の所要日数が2日減少すると、この工事全体の作業日数は,2日減少する。
解説
4.E作業が2日減少すると、新しいクリティカルパスはA-B-F-Gとなり、工事全体の所要日数は13日となる。当初の全体作業日数である14日より1日減少するので誤り。
元のクリテイカルパスはA-B-E-Gであり、B作業はクリティカルパス上にあるので、この作業日数の増加は全体の所要日数の増加となる。またC作業はクリテイカルパス以外であり、この作業が含まれるパスに対応するクリテイカルパス上のフロートの所要日数が同じになれば、フロートはなくなる。したがって1~3は正しい。
- 正解 4 -


【No 2】ネットワーク1:程表におけるフロートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  1. トータルフロートが0の作業をつないだものが,クリティカルパスである。
  2. ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。
  3. トータルフロートは、フリーフロートからディペンデントフロートを引いたものであ  る。
  4. フリーフロートは,その作業の中で使い切っても後続作業のフロートに全く影響を与えない。
解説
3.トータルフロートは、フリーフロートからディペンデントフロートを引いたものである。
- 正解 3 -

 工程管理の中でネットワーク計算の問題は、近年は1級では学科試験に2級では実地試験に出題されます。No.1はその典型的な例題で、クリティカルパスやフロートなどが問われます。一部の作業の日数に増減があったり、新たな作業のパスが加わったりするパターンの出題も見られますが、部分的な作業工程に変化があった場合には、全体のクリティカルパスが変化することもあるので注意が必要です。
 ネットワークの計算問題は、基本的な考え方が身についていれば、多少の応用問題にも対応できますので、ダミーアローの意味など正しく理解しておきましょう。
一方、ネットワークの理論の各要素について、用語で問われる出題もあります。計算問題を解ける方でも戸惑うことがありますので、過去問を参考に出題の表現にも慣れておく必要があります。



※過去の出展(過去6回分を表示)
第6回 材料管理②
第5回 材料管理①
第4回 工事管理②
第3回 工事管理①
第2回 施工計画②
第1回 施工計画①
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