2級建築施工管理技士
「令和 7年度 2級建築施工管理技術検定・前期 第一次検定総評」
● 出題数等
令和7年6月8日(日)に、前期 第一次検定試験が実施されました。設問数、解答数、必須問題数、選択問題数は昨年度の前期・後期一次検定と同じでした。改めて、心がけるべき点を記してみます。
- ・「建築学」に関する出題において、一昨年度までは「14問中9問選択解答」でしたが、昨年度より「4問の必須回答 + 10問中5問選択解答」となりました。一昨年度までは、不得意分野の設問は回答を避けることが可能でしたが、4問の必須問題は全分野(環境工学・一般構造・構造力学・建築材料)から1問づつ出題されており、「不得意分野の回答を避ける」ことが、実質出来なくなりました。今後は、建築学全分野を万遍なく学習しておくことが必要となります。
- ・「能力問題」につきましては、昨年度より、出題形式が「四肢二択」から「五肢一択」に変わりました。各選択肢の内容がやや専門的な内容となっており、実際にその工種に携わっていないと正誤判断ができない肢が見受けられました。過去の出題傾向を確認し、「能力問題」として出題が予想されるテーマについては、深く掘り下げた学習が必要かと思われます。
● 難易度の高い問題
- ・№5 :照明についての難問でした。但し、「色温度」の概念を理解していれば、不適当な肢を選びやすく、得点しやすい問題でした。
- ・№14:シーリング材についての細かい知識が必要な難問でした。
- ・№16:LED照明についての難問でした。選ぶべき肢を二つまでに絞れても、最終的な判断が難しかったのではないかと思われます。
- ・№22:解体工事に関する難問でした。こちらも№16と同様に、選ぶべき肢を二つまでに絞れても、最終的な判断が難しかったのではないかと思われます。今後も必ず出題される工種と要されるため、従来よりも詳細な知識を身に付ける必要があると思われます。
- ・№27:フリーアクセスフロアについての詳細を問う問題で、でした。細かい数値を覚えていないと得点できなかったと思われます。仕上げ工事として出題される工種は多く、従来よりも細かな知識を問われる傾向にあります。過去の出題傾向から、出題されると思われる工種をある程度絞り、深く掘り下げた学習をする必要があります。
- ・№35:コンクリート供試体の養生方法について、正確な知識を求められました。コンクリート工事の過程における各種試験について、標準養生、現場水中養生、現場封かん養生のうち、どの養生方法が適切かを、整理しておく必要があります。
- ・№40、№41:「五肢択一の能力問題」の内、これらの問題は専門知識が無いと答えずらい問題でした。ともに仕上げ工事の分野の難問でした。
- ・№45、№48、№49、№50、:これらの4問については、実務の詳細についての設問であり、難問であったといえます。各法令の基本を押さえるだけではなく、届出書や契約書等の書面の記載内容についても学習する必要があります。
● 総評
仕上工事の分野、法規の分野の問題が難しく、全体の難易度が上がりました。従来よりも深く掘り下げた学習が必要ですが、頻出事項や、基本事項を取りこぼすことなく得点すれば、合格基準点は得られたのではないかと思われます。今後は難化が少しづつ進むことが予想されます。組し易い分野から、深く掘り下げた学習、詳細な知識の習得を進めるのが得策かと考えます。