1級建築施工管理技士

令和 6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 総評



令和6年7月21日(日)に、1級建築施工管理技術検定の第一次検定が実施されました。

・総出題数は72問、 総解答数は60問で、昨年と同様でした。
・「建築学」分野の出題形式に変更がありました。従来は15問中12問選択解答でしたが、 今年度は、6問の必須解答に加え、9問中6問の選択解答の、計12問解答という形式に変更となりました。
・「躯体」分野については、従来の10問中7問選択解答から、10問中8問選択解答に変更となりました。
・「仕上」分野については、従来の 9問中7問選択解答から、10問中7問選択解答に変更となりました。
・「施工管理法」分野については、従来の15問全問解答から、10問全問解答に変更となりました。
・「応用能力問題は、」従来の「五肢二択」形式から、「五肢一択」形式に変更となりました。出題数は従来の6問全問解答から、10問全問解答に増えました。

 午前の部
出題範囲は広範囲に及び、必須問題の中に計算問題2問(環境工学と構造力学)が含まれ、構造力学等の学習を避けて通ることができなくなりました。又、専門的な数値・用語についての出題も見られました。難易度は「やや難」であったといえます。

・№2 : 「熱貫流率」を求める初出題の問題でした。必須解答問題とはいえ、現象の正しい理解が伴わないと解きずらい問題でした。
・№11 :「座屈荷重」を求める問題で、2級建築士「構造」科目においては頻出の問題です。 公式と解法手順を理解していないと答を導き出せませんが、理解していれば、手順に従って解答を導き易い問題でした。
・№14 : 「左官材料」に関する詳細な知識が必要な新問でした。
・№20 : 「工事費」に関する正確な知識が必要でした。昨今、建設系資格の検定試験において、「工事費」についての出題がされることが多くなってきたようです。今後も出題が続くとお相される論点です。
・№29 : 「木造軸組工法」に関する詳細な知識が必要でした。
・№40 : 「改修工事」に関する出題で、四肢の内、三つが新出の肢でした。正答肢を定めにくかったと思います。

上記難問・新問の分野については、今後も継続して出題されるであろう論点です。過去問をマスターすることはもちろんのこと、特に、木造軸組み工法、各種改修工事については、基本的事項に加え、より詳細な事項も学習しておく必要があります。

 午後の部、
 「応用能力問題」は、従来は6問の出題(躯体工事3問、仕上3問)でしたが、施工管理法についての4問が加わり、全10問を解答する形式となりました。10問の内、60%である6問の正答をしていないと足切り不合格となる旨は、従来通りと公表されています。今回は、正答肢を選ぶ際の決め手となったのは、「数値」でした。「各種数値」を正確に記憶する学習の必要性を、更に感じさせる出題内容でした。又、「法規」の問題は新問が多く、詳細な知識が求められました。午後の部に関しては、「難しい」出題であったといえましょう。

・№54 、 №56 : 各工種の細かい数値を把握していることが、特に必要となる問題でした。
・№61 : 「建築確認」に関する詳細な知識が必要でした。
・№72 : 「道路交通法」に関する出題でしたが、過去に問われた論点以外の部分からの出題となり、詳細な知識が必要となる問題でした。

 来年度に向けて
過去問を中心に、繰り返し問われている知識、基本的な知識を網羅したうえで、応用知識として、各種工事を進める為に必要となる基準値や数量等を把握する必要があります。又、今回より、建築学分野から必須解答問題が出題されたことから、出題全範囲に及ぶ学習が必須となり、かつ、苦手分野があると合格が遠のいてしまうことが明らかとなりました。同時に、難易度の低い問題での取りこぼしが無い様に、知識を整理することが必要となります。更に、建設業界の日常の動向にも注意を払い、特筆すべき変更点や法改正等、新しい論点についての基本的な知識を蓄えていくことが効果的と思われます。

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