創立50周年記念講演会 報告(建設通信新聞 H20.7.4)
桂離宮─

江戸時代初期の建築技術を紹介
佐藤会長が50周年講演

 全日本建築士会(佐藤 理会長)は、今年が創立50年に当たることから、東京千代田区の如水会館で記念講演を開いた。
 佐藤会長自ら「蘇る桂離宮」と題して、1976(昭和51)年から91(平成3)年にかけて断続的に行われた桂離宮修理工事の概要と、これによって明らかにされた、創立当時の江戸時代初期における建築技術の高さを紹介した。
 佐藤会長は、今回の修復工事に携わった体験を交えながら「一般の木造住宅がおよそ150年周期で解体修理が行われるのに対し、桂離宮は300 十数年もった。屋根の痛みが始まると、雨水が漏れ出し、建物が腐り始める」「最近の屋根は痛みが早くなっているようで、20年くらいで葺き替えなければならなくなっているようだ。材が劣っていることかもしれない」「桂離宮の屋根材はいい材料を使用していたから、吹き替え周期も長く建物も長くもった。」「木材も全国各地を調べ、厳選されたもので取り替えることが出来た」などと、極力、昔のやり方で行ったほうが、結果として建物を長持ちさせることができると力説した。
 当日は講演会に先立ち、通常総会も開催され、19年度の事業報告・収支計算、20年度の事業計画・収支予算を承認した。
 

※ 講演者略歴
 佐藤 理(さとう おさむ) 
  社団法人全日本建築士会会長、元宮内庁京都事務所専門官 、
  元ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員

 社団法人  全日本建築士会事務局
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